「マルタで医療費ってどれくらい?」——長期滞在の不安、まずはここですよね。
観光や短期は旅行保険で十分でも、住むとなると病院・薬局・歯医者は避けて通れません。
私と周りの体験を交え、リアルな金額感をまとめます。
公立病院(Mater Dei Hospital)

結論:原則無料。ただし“条件あり”&待ち時間が長い。
- 診察・入院・手術:無料(入院食事つき)
- 対象:マルタ国民/EU市民/一定期間の納税がある居住者
- 待ち時間:救急でも6時間以上あり得る
- 体験談:友人は救急車→無料(1年以上就労・納税)
メリット:費用負担がない安心感
デメリット:待つ、環境が簡素(カーテン仕切り・騒音も)
使いどき:緊急時・高額医療になりそうなケース
ヘルスセンター(Health Centres)

結論:近所の“無料クリニック”。軽症&書類用に便利。
- 費用:無料(診察・診断書発行)
- 待ち時間:〜2時間目安
- 予約:専門科(例:産婦人科)は数か月待ちも
メリット:近場・無料・書類(病欠用など)が作れる
デメリット:専門科の即日受診は難しい
使いどき:軽い症状/診断書が欲しいとき
薬局(Pharmacy with Doctor)

結論:薬局にGP(一般医)がいることが多く、軽症はここで完結。
- 診察料:10〜20€
- 診断書:15€(私も発行してもらいました)
- 注意:医師は午前のみ/曜日限定がある → 事前確認必須
- 市販薬:風邪薬約10€、咳止めはシロップのみの薬局も(複数店チェック推奨)
メリット:早い・安い・家から近い
デメリット:重症は不可、取り扱い薬が限られる
使いどき:風邪・軽い不調/会社提出の診断書
※GP=General Practitioner。日本でいう**町のお医者さん(内科・総合診療)**のイメージ。
プライベート病院・クリニック

結論:早い&確実。ただし費用はそれなり。
- 診察:40〜100€
- 検査・婦人科:150€以上のことも
- PCR:100€超と言われ、私は受けず
- 支払い:一旦自費 → 保険申請 → 返金は1か月以上(Atlas等)
メリット:すぐ診てもらえる/英語でスムーズ
デメリット:高い/保険手続きは自分で
使いどき:待てない・確実に今診て欲しい
私の場合、受付はパスポートのみでOK。「保険処理はご自身で」と案内されました。
歯医者(Dental)
結論:公立カバー外が基本。自費前提で見積もりを。
- 相場:虫歯治療+クリーニング=約150€
- ベーシック保険は対象外のことが多い
使いどき:痛む前に予防クリーニングを。急だと費用も予約も重くなる傾向。
ざっくり予算感とコツ
- 日常の不調:月10〜30€(薬局&軽い診察)
- プライベート受診/歯科:**100〜150€**想定
- 救急対応:条件満たせば無料(ただし待つ)
- コツ:
- 薬局の医師スケジュールを電話で確認
- 欲しい薬がなければ複数薬局を回る
- 保険申請書類(申請用紙・IDカード・パスポート・診断書)をすぐ揃えられるように
まとめ:医療費=生活費に組み込む前提で
マルタの医療は、**「無料だけど待つ公立」と「有料だけど早いプライベート」の二択になりがち。
生活費には日常の医療費+突発的な100〜150€**をのせ、海外保険を“効かせる”設計にしておくと安心です。
👉 次に読む:
- 病院の選び方と受診の流れ:公立/プライベート/薬局/ヘルスセンターの使い分け(記事②)
- 保険は必要?:会社員・学生・ワーホリ別のおすすめと返金フロー(記事③)
- 持ち物(薬):日本から持ってきてよかった常備薬リスト(関連記事)
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